第18章 ママが先に私を要らないって言ったの!

丸一日かけて描き上げた原稿は、びりびりに引き裂かれ、紙片となって床一面に散らばっていた。

長谷川栞は必死に感情を抑えようとした。けれど、胸の奥で燃え上がる怒りまでは隠しきれない。

その鋭い叱責に、中野蓮はびくりと固まった。

しばらくして我に返った瞬間、今度は蓮のほうの怒りが、さらに膨れ上がる。

ママは俺のことなんて放っておくくせに。

そのうえ、たかが紙切れ一枚で俺を怒鳴るのか。

記憶の中の長谷川栞は厳しかった。でも、ここまで声を荒らげたことはほとんどない。

「俺、行かない!」

中野蓮は喉が裂けるほど叫んだ。

「なんで俺が出てかなきゃいけないんだよ!」

「ママなんだろ! 面...

ログインして続きを読む